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息子のともだちは私のともだち

by 鍋坂樹伸

土曜日の午前中、家でひとり。

外から「なべさか〜!」と聞こえた気がした。

宅急便屋さんだと大胆だし、私のことを呼んでいるとも思えないし。

玄関まで行き扉を開けると、小学生の男の子がひとり。

ピンときた。

(いつも息子が話してくれる、最近仲のよい隣の団地の兄弟か。けど、ひとりやん。)

少し間があいて、ともだちは自己紹介をしてきた。

隣の団地の、◯◯です。なべさかいますか?

あ、ムネくんね、いまお母さんと出かけてるわ。

もう少ししたら帰ってくると思うけど。

ハンモックしにきたんやけど家入ってええ?

・・・。

入ってええ?!

(そこまで言うなら)じゃあ入りな!(^^)

息子を目当てで遊びに来てくれる友人たちと会うのははじめてだので少し戸惑った。

(ハンモックや庭で遊ぶことを楽しみにしている兄弟がいることは聞いていた。)

先週、宮城県に住む友達のSNSの投稿をみた。

自宅に近所の子供達がやってきて敷地内でかくれんぼをしたり、

おやつをあげているという話がとても微笑ましかった。

数日後、規模は違えど私の目の前にやってきた。

私とこのともだちとの出会いは、自分のなんだか懐かし記憶を呼び起こしてくれた。

(缶蹴りや、野球、釣りを教えてくれた友達やセンパイたちはどうしているかな?)なんて。

私が着替えていると、彼はハンモックから降りてきて私のところへ近づいてきた。

そして、その場所においていた室内用の小さいトランポリンを見つけた。

これなに!?

トランポリンだよ!

使えるん?

使えるよ、飛びたい?

うん!!

ふたりしてトランポリン周辺をゴソゴソと片付ける。

気をつけなよ!机のカドにぶつかって怪我したらいかんで!

(なんかあって怒られるんおっちゃんやからな!!)

楽しそうに飛んでいるともだち。

ずーっとニコニコしている。

なべさかはこれをもうやってないの?

なんで!こんなに面白いのに!!

飽きたんちゃうかなぁ。

会話をしていると、少し気になったことがあったので伝えてみた。

君は何年生だっけ?

3年生。

ムネくんは5年生だろ?だから、呼び捨てはダメだよ。わかるか?

うん。

(^^)b 笑顔♪♪

(^^)v 笑顔♪♪

もちろん歳が上だからエライとか、下だからという気はさらさらない。

むしろ歳のせいか、自分の周りは年下で大活躍されている人のほうが増えてきたこの頃。

すぐにともだちは息子のことをちゃんと「なべさかくん」と言えるようになった。

素直でキラキラした目を見ていると、

他人に、特にともだちに敬意を払える人になって欲しいと思った。

この日、2年生の弟とは会えなかった。

弟はどうしたん?と聞くと、家で遊んでいるか、友人のところへ行っているだろうと。

お父さんやお母さんはおるんか?と聞くと、ふたりともいない、仕事。という返事。

お昼ご飯はあるんか?と聞くと、家にあるという。

私の子供の頃を振り返ってみると。

家はコマーシャルフォトスタジオで自営業、1階が仕事場。

学校から家に帰ったら誰かしらいた。

時代も時代、忙しい時は1、2週間放ったらかしの放置状態だったけど、

両親の気配は感じられた。

ちょっと寂しいのかな?

まだ3年生と2年生の兄弟でお留守番やからね。

子供時代って置かれている環境を他人と比較することもしないし。

日々流れる日常が当たり前だし。

寂しいのかな?なんて私が考えすぎかもしれない。

親がいるからよいというはなしでもなく。

いないからダメというわけでもなく。

いても向き合ってくれなてかったら。

(過剰に反応されても面倒臭いとも思った。)

近所のおじさんだって自分に向き合ってくれたら、

その時間は何か教わることがあった。

実は両親からではなく、他人から学ぶことが大切だったり。

平成も30年。

私は昭和時代の近所にいる雷オヤジみたいにはなれないかもしれないけど、

息子が好きで、慕ってきてくれているんだとしたら彼は私の大切なともだちだ。

また遠慮なくおいでよ。

なべさかくんの家にあるものなら使ってもいいからさ。

なんもない家だけどね。

あ、今度さ、なべさかくんと一緒にボール持って公園行こうか。

絶対君ら兄弟のほうがサッカーボール蹴るんうまいけどね。

そんなことを考えながら、午後の撮影に向かった。

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